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「心に刃、腹には獣」リプレイ 導入フェイズ
このリプレイは、壁と4人のプレイヤー達が、シノビガミで遊んだ記録をもとに書かれています。
【あらすじ】
5年前、関東地方を「山鰐(やまわに)」が襲った。地中を泳ぐ巨大なサメのような姿をしたその妖魔は、数多の人を喰らい、建物を破壊した。当時の比良坂機関と鞍馬神流は、山鰐の力の一部を魔剣「五百噛(いおがみ)」に封印することに成功したものの、その命を絶つことはできず、地獄門へと封印した。本体が封印されてなお強い妖力を放つ五百噛は、比良坂の巫女「筧 千鶴(かけい ちづる)」と、その一族により、硬く封印を守られて来た。

しかし今、地獄門は破られ、山鰐は復活した。五百噛を求めて山鰐が蠢く。さらには隠忍の血統が、五百噛に秘められた妖魔の力を求めて、動き出していた。
PC紹介
GM:それではPC紹介行きましょう。まずはPC1、筧千里さん。
千里:名前は筧千里。御斎学園の二年生です。5年前の12歳の時に妖魔・山鰐との戦闘で大けがを負いまして、生死の境をさまよったのちに、己の修行不足を痛感して、わざわざライバルの御斎学園に入りました。性格は融通の利かない優等生タイプ。友達づきあいとかもそつなくこなしてますが、残りの時間の全てを、山鰐を倒すための修行に費やしています。そんなキャラクターです。
名前:筧 千里(かけい ちさと) 年齢:17歳 性別:女
流派:私立御斎学園 階級:中忍 表の顔:高校生 信念:忠
流儀:妖魔の力によって苦しんでいるものを助ける 仇敵:ハグレモノ
特技:《火術》、《骨法術》、《遁走術》、《伝達術》、《鳥獣術》、《意気》
忍法:【接近戦攻撃】《骨法術》、【使役術】《鳥獣術》、【御斎魂】《意気》、【電撃作戦】《伝達術》、【早乙女】
GM:では続いてPC2、筧フォックスさん。
フォックス:名前は筧フォックス。17歳の鞍馬神流のシノビです。千里とは双子の姉妹なのですが、師事した師範がアメリカン鞍馬神流の使い手だったことが、全ての始まりでした。
千里:始まりすぎだ!
:ホントウニフタゴナンデスカ
フォックス:フォックスは師匠から貰った名前で、本名は別にあります。魔物を殺し、家族を守るために戦うことに全力をかけて生きてます。アメリカに行ったことはなく、アメリカのような、みんなを守る忍者になることが目標です。
:行ったことないのかよっ!
千里:ないんだ!?
飛鳥:アメリカのような(笑)。
フォックス:だいたい名前表のせい(笑)。
名前:筧 フォックス(かけい ふぉっくす) 年齢:17歳 性別:女
流派:魔王流(鞍馬神流) 階級:中忍 表の顔:高校生 信念:和
流儀:魔物を殺す 仇敵:隠忍の血統
背景:人質、家宝【蛇比礼】
特技:《砲術》、《刀術》、《盗聴術》、《見敵術》、《異形化》、《呪術》
忍法:【接近戦攻撃】《刀術》、【神槍】《手裏剣術》、【時雨】《砲術》、【頑健】、【魔血】(【魔血】の効果により【獣化】《異形化》、【魔界転生】《憑依術》を使用できる。)
GM:お次はPC3、相良真さん。
:名前は相良真。37にして予備校講師のナイスガイです。
千里:ナイスガイ!
:実はものすごいネクラなんですが、人付き合いはそつなくこなします。えー、そんな感じです。よろしくお願いします。
名前:相良 真(さがら まこと) 年齢:37歳 性別:男
流派:隠忍の血統 階級:中忍 表の顔:予備校講師 信念:凶
流儀:妖魔の力を利用して世界に変革をもたらす 仇敵:比良坂機関
特技:《水術》、《怪力》、《遁走術》、《異形化》、《瞳術》、《呪術》
忍法:【接近戦攻撃】《異形化》、【痛打】《水術》、【返し技】《瞳術》、【逆鱗】、【鬼影】
GM:では最後にPC4、飛鳥さん。
飛鳥:名前は飛鳥。年齢は10代後半ぐらいのハグレモノです。ちなみに「飛鳥」は本人が名乗っている名前ではありますが、その出自に関しては謎に包まれています。
千里:謎の女!
飛鳥:近頃、急に闇の世界に現れた腕利きの忍者で、闇に舞う妖魔を退治して回っています。得意技は《分身の術》。自分の姿の幻影を作り出して相手を翻弄します。性格はなんか粗野な感じで、ぶっきらぼうです。仲間とかはいなくて、常に一人で戦ってきた感じ。
名前:飛鳥(あすか) 年齢:10代後半 性別:女
流派:ハグレモノ 階級:中忍 表の顔:不明 信念:情
流儀:誰にも縛られず、自分の意志で戦う 仇敵:斜歯忍軍
背景:絆、人質
特技:《拷問術》、《隠形術》、《分身の術》、《潜伏術》、《異形化》、《憑依術》
忍法:【接近戦攻撃】《憑依術》、【覚悟】《異形化》、【影分身】《分身の術》、【環獄】、【博識】
導入シーン一、筧一族
少し肌寒い秋の日の朝。仲良く庭先を掃除する姉妹のもとに、黒いコートをきっちりと着込んだ男が訪ねて来た。
GM:さて、それでは導入シーンを始めましょう。まずは千里とフォックス、二人の導入シーンです。ある休日、筧家に見知らぬ男(鷺)が現れるところから始まります。
鷺:「千鶴さんに、鷺が来たと伝えてくれないか。」
千里:千鶴さんは家にいるんですか?
GM:はい、千鶴は五百噛を守るという使命のため、常に家にいます。筧家の敷地に千鶴の結界が張られている状態ですね。
千里:「私が呼んでくるわ。……姉さん(目くばせで、こいつを見張るようお願いしながら退出)。」
フォックス:「頼んだヨ、千里〜♪」
千里:では、奥の間の、なんかしめ縄とかあるっぽい所に行きます。
フォックス:私はそれとなく世間話してるー。
千里:ナイス監視!
千鶴:では、千鶴は五百噛を封じた扉の前に座って、祈祷を続けています。
千里:「……母さん」遠慮がちに声をかける。
千鶴:振り返ってにっこりと微笑みます。「どうしました、千里?」
千里:「えっと……お客様。鷺っていう人。母さんの知り合い?」
千鶴:「そう、鷺が来たのね。……客間にお通しして。すぐに行くわ。」
千里:「……祈祷は大丈夫なの?」
千鶴:「大丈夫、事情は通じているから、すぐに済むわ。」
千里:「……わかった。」お茶と羊羹を用意して部屋に戻るぜ。
GM:千鶴は立ち上がって、自室に行きます。
フォックス:では、玄関。
千里:呼びに行くよ。「母がお会いになるそうです。どうぞ。」
鷺:「ああ、ありがとう。」
フォックス:「よかったね、おじさん。」
鷺:「そうだ、先に自己紹介しておこう。俺は鷺。フリーの情報屋だ。呼ばれればいつでも現れるし、情報が欲しいと言われれば手に入れてくる。」
フォックス:「なるほど、えびふらいってやつダネ!」(FBIの間違い)
千里:「それを言うならFBIでしょう、姉さん。」
フォックス:「ハハハ、アメリカンジョークだよー。」
鷺:「君たちも忍者なんだろ?仕事があったら呼んでくれ。」
フォックス:「あいあい、それじゃ、案内するね。」
GM:さて、鷺と千鶴は、しばらく二人で話をした後、千里とフォックスの二人を部屋に呼びます。
千里:「お呼びですか。」
フォックス:「何か用かナー?」
鷺:「手短に言おう。山鰐が再び姿を現した。」
千里:「山鰐……」息を飲みます。
フォックス:「山鰐……ですか。」(真面目な顔になる)
千鶴:「5年前、我々は山鰐を一旦は食い止め、その力の一部を、魔剣『五百噛』に封じました。再び姿を現したとは言っても、今の山鰐は、かつての力の半分も出せない状態でしょう。」
千里:「では、今のうちに叩くしかない、ということですか……。」(ごくり)
フォックス:「ふふん、大丈夫! 拙者が鞍馬で修業をしてきた意味を見せますからネ!」
:拙者とか言い出したぞ。
飛鳥:安定しないなあ(笑)。
千鶴:「ええ、今のうちに山鰐を倒すのが最善なのですが……。」
鷺:「五年前もそうだったが、山鰐は死なない。おそらく、どこかにその命の大元を隠しているんだろう。それがどこかまでは、俺にも調べることは出来なかった。」
フォックス:「それを探さなきゃ駄目ってことですカ?」
千鶴:「そう、あなたたちが、山鰐を倒す方法を突き止めるしかないの。」
千里:「再封印したところでいずれまた破られる……そういうことですね。」
フォックス:「千里、びびりましタ?」
千里:「……私だって、この5年間、無駄にしてきたわけではないわ。今度こそ、筧一族の名にかけて、山鰐を討ち果たす。そうでしょう、姉さん。」
フォックス:「言ってくれるネ、千里。そのとおりサ。私たち姉妹が力を合わせれば、きっと山鰐なんてちょちょいのホイだヨ!」
千里:「姉さんったら。」(苦笑)
フォックス:気丈に振る舞わないといけない気がした!
千里:千里はもちろん豆腐メンタル優等生だよ!たぶん。
千鶴:それでは千鶴はにっこりと笑って、「頼みましたよ、ふたりとも。」
千里:「……はっ。」(うやうやしく礼)
フォックス:「任されたヨ! 安心して、母さんっ!」
GM:といったところで、二人は千鶴と感情を結んでください。感情表振ってね!
千里:et 感情表(5) → 憧憬(プラス)/劣等感(マイナス)
フォックス:ET 感情表(2) → 友情(プラス)/怒り(マイナス)
千里:憧憬で。母さんはあんなつらいお役目の中でも優しく笑っている…あんな女性になりたいのです
フォックス:友情で。こっちは母に信愛をもっている感じ?
千鶴:et for千里 感情表(5) → 憧憬(プラス)/劣等感(マイナス)
千鶴:et forフォックス 感情表(4) → 忠誠(プラス)/侮蔑(マイナス)
千鶴:千里には憧憬、フォックスには忠誠ですかね
千里:ありがとうございますー
鷺:「じゃ、俺はこれで失礼するよ。あまり役には立たないが、何かあればまた頼む。」
千里:「こちらこそ、いずれお世話になるときも来るでしょう。よろしくお願いします。」
フォックス:「はい、よろしくデスよ!」
GM:鷺は情報屋です。鷺の持っていない【秘密】を渡すと、好きなキャラクターの【居所】をくれます。
千里:【秘密】とかあるんですか?
GM:あります。千鶴にも、もちろん山鰐にも【秘密】がありますよ。
筧千里の【使命】:山鰐を倒す。
筧フォックスの【使命】:千鶴と、あなたの家族を守る。
千鶴の【使命】:山鰐を倒す。
鷺の【使命】:多くの秘密を集める。
山鰐の【使命】:五百噛を入手する。
導入シーンニ、路地裏の忍びたち
人の行き交う繁華街から一歩脇へそれると、不気味なほど静まり返った深い闇がある。真や飛鳥のような忍びにとって、そこは我が家の庭のようなものだ。
GM:ある日、真が夜の街角を歩いていると、路地裏を一匹のネズミがちょろちょろと走り回っているのが目に入ります。隠忍の血統の草ですね。
:「……何か用か。」
GM:ネズミ「山鰐が復活しました……。もちろんそれは知っているでしょうが。」
:「まあな。……だが、それがどうしたって?」
GM:ネズミ「5年前に封印された、五百噛の場所も判明したとのことです。情報屋と会って、詳しい話を聞いてください。」
千里:む? 鷺ちんは両陣営に情報を売ってるってことか?
フォックス:まぁ、情報屋って企業だし。
飛鳥:忍びは汚いですからなあ。
千里:さすがニンジャ汚い。
:「ふむ……で、こうして来てるってことは、それを俺に、どうにかしろってことなんだな。」
GM:ネズミ「五百噛を入手し、持ち帰る……それがあなたの使命です。」
:「いいだろう。ちょっと面白そうじゃないか。了解したと伝えてくれ。ああ、それから……」いつの間にか草の左腕が落とされています。「俺の周りに来るときはもう少し気をつけるんだな。」
GM:ネズミは低いうめき声を上げると、排水口のなかに転がり落ちていきます。
:それを見ると口の端を醜く歪めて、「くくく……あんなんで戻れるのかね。」
飛鳥:グローイ。
千里:かっこいいロールだ!勝てる気がしない!
フォックス:むこうがカッコよさで来るなら拙者たちはかわいさでアピールだヨ、妹!
千里:はい、姉さん!(ガッシニギニギ)
GM:好対照な二陣営だのう。(ニヤニヤ)
鷺:「ヒュウ、怖い人だねえ」不意に後ろから、真に声をかける男がいます。
:「情報屋か。今の草よりはできるんじゃないか?」
鷺:「おっと、やめてくれよ。こう見えてもおれは一般人なんだ。あんたらに目を付けられちゃたまらない」両手を上げて手のひらを真に向けます。「俺はあんたに情報と、助っ人を持ってきただけだぜ。」
GM:真が振り返ると、鷺の脇に十代後半と見える少女が立っているのが見えますよ。というわけで、飛鳥さんの登場ですね。
:「ほう、悪くないな。」
飛鳥:「アンタがアタシのパートナーかい。冴えないオッサンだな。」
:「パートナー?小娘。身の程を弁えるんだな。貴様は俺のコマだ。」
飛鳥:「はぁ?出会い頭から随分吹くじゃねえか。」
:「おおかた、うちの上層部に雇われたハグレモノだろうが、背中を任せるに足るかどうかは、俺の決めることだ。」
千里:ギスギスしておる……。こういうやり取りも、シノビガミの醍醐味ですなぁ。
飛鳥:「アタシはアンタの上役から雇われただけだ、余計な指図は困るんだよな。それと、……不意打ちはもっと上手にやるんだな。」そちらがいつの間にか放った刃を受けとめながら。
:「くくく……合格だ。訂正しよう。【それなりにはやれるシノビ】のようだ。」
鷺:「やれやれ、あんまり物騒なことはよしてくれよ。……ひとまず自己紹介しておくぜ。俺は鷺。フリーの情報屋だ。呼ばれればどこへでも行くし、欲しい情報があれば売る。ひとまずこいつは、お近づきの印ってやつだ。」真と飛鳥に、千鶴の【居所】を渡します。
千里:なんだとー。
:おう。これはいきなり。
飛鳥:むむむ。
鷺:「その女、比良坂の巫女が『五百噛』を持っている。」
飛鳥:「……。」
:「なるほどな。なら話は早い。俺はその女を襲いに行く。」そう言って去り際に、「……そうだ、女。名を聞いてやろう。」
飛鳥:「人に名を訪ねる時は自分から名乗るのが礼儀、だろ?」
:「ふん。……相良真。憶えておくがいい。」
飛鳥:「……飛鳥だ。」
鷺:「他に聞きたいことがなけりゃ、俺は退散するぜ。何か仕事があれば呼んでくれ。」
飛鳥:「待て。千鶴って女について何か他に情報はないのか?護衛の忍びがいるんじゃねえかとは思うが。」
鷺:「そうか、護衛を消すのがあんたの仕事だったな。……千鶴には娘が二人いる。双子の姉妹だな。どちらも腕利きの忍者だって話だぜ。」
飛鳥:「……そうか。要はそいつらをぶっ殺しゃいいんだろ。」
鷺:「まあ、そういうことだな。聞きたいことはそれだけかい?」
飛鳥:「ああ、速攻で片を付けてきてやるよ」そう言って飛鳥も飛び去ります。
GM:はい、ではこれにてシーン終了。メインフェイズに移ります。
相良真の【使命】:五百噛を入手する。
飛鳥の【使命】:PC1(千里)を倒す。
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